構図の大切さ(大胆に切りとること)

NHK日曜美術館奥村土牛の作品を観た。
http://www.nhk.or.jp/nichibi/weekly/2014/0427/index.html

構図の大胆さが美しい。
番組で最も時間をかけて紹介したのが、京都、醍醐寺のしだれ桜を描いた「醍醐」だ。
http://www.yamatane-museum.jp/collection/collection.html

巨大な老木の太い幹の部分だけを絵にしている。
http://www.yamatane-museum.jp/image/collection/collection_10.jpg
全体を見せるのではなく部分を切り取って見せ、全体は観るものに想像させるという考え方だろう。

大事なところだけを切りとって見せるというのは勇気のいることだ。
切り取った造形の美しさの見極めも大事だろうし、
切り取ったことへの意味合いを明確に観るものに伝えることが必要だ。

醍醐寺の桜の幹はしわがれた樹皮に覆われ、時の積み重ねを映し出す。
実物をみれば素直に綺麗とは言いにくいような、年を重ねて樹の姿にこそ美しさを見出したのか。
http://4travel.jp/travelogue/10440429
80代になってからの作品、自分を写したか。

思いをもって切りとることの大切さ、体感できた番組だった。