新人の涙に驚きとすがすがしさを感じた1日だった

 最近、私のようなプロフェッショナル系のトレーナーに新人対象の研修のご依頼が多い。新人であっても本格的な人材育成をしたい、即戦力にしたいという人事側の意図があるわけだが、確かに専門的な内容であっても、高い意欲をもった新人は難なくこなしていくことに驚きを覚える。そこらのベテランよりも成果が高いのだ、あきらかに。
 
 僕のプログラムは、マーケティングをベースにした問題解決能力養成プログラムだが、顧客対応、商品づくり、売り方への執着といった実務経験に基づいた意志がないと意欲がわかないものだと考えていた。

 ところが新人諸君は思考が柔軟なうえ難度の高い要求に応える意欲があるので、伸びるのりしろが大きい。ここ数回のトレーニングで、高度な問題解決を一部のメンバーはやり抜いてしまった。

 事実重視、仮説検証的な論理的思考があることと、その論理的な結論を表現する能力、加えて、ものを作り込んでいく喜びの自覚があると推察でき素晴らしい。しかも若者特有の傍若無人な思考の飛躍が随所にあり、わくわくするような思考プロセスをみせてくれる。

 この研修、なんだか俺の仕事だろうかとためらいもあったのに、ほんとうにやったよかったと思える。

 若者を育てることはこんなに楽しいのだ。

 その新人の一人が、うまく自分の能力を発揮できず悔しくて研修の最後に大粒の涙をみせた。若いことの可能性をまた見た気がした。

 新人の皆さん、もっともっと話たかったが職務上長居ができるわけではなく、さりげない別れになったけれどほんとうにグッドラック。人生は苦しいけれど、はっきりいって苦しみの何十倍も楽しさがあるよ。めげずたゆまず切り開いていこうよ。