関西みずほ経営者研究会でお話してきました

関西の大手、中堅の経営者を対象とした研究会で新事業開発テーマの創出についてお話してきました。
事業テーマを創出する上でミッションが欠かせないということと、テーマ創出技法である、市場再定義のための戦略キャンバス法やビジネスモデル創出のためのプロフィットゾーン法といったやや学問的ですが、このような技法をうまく使うことが大事だというお話をしました。


この手の原理的な話が百戦錬磨の経営者の方々に通じるものか不安でありましたが、意外にさらに突っ込んで議論したいという感想が多いのに驚きました。
実利的な気風の強い関西においても、新事業開発においては斬新な方法でも試してみるかといいう挑戦意欲を感じます。
学問的な背景をもった理論というのは、今まで事業開発にご苦労された方にとって悪くないと思っています。今まで経験と直観で成功、不成功を経験されてきて何が成功要因か失敗要因を判断する尺度として利用できるからです。
改めてアンゾフの図からインスピレーションがわいたりするものです。既存技術×新市場=新市場開拓の成功率の高さと応用範囲の広さを見てもらうだけでも、自分の会社に系統だった市場開拓戦略がなかったという気づきをもたらしてくれますからね。


宅急便市場を開拓したヤマト運輸小倉昌男さんが書かれた「小倉昌男経営学」を読むと、宅急便を生み出すまでに随分たくさんの講演を聴講されている話があります。ネットワーク経済性というビジネスモデルというべき概念を学び取り、5年以上の歳月をかけて緻密な構想計画を立てて創った事業ですからね。


30代の若い経営者4名と講義後お話しましたが、30代はいいですね。僕は30代事業家をたくさん生み出したいと思います。事業経験が豊富で、現状に否定的で、冒険してでも状況を変えていきたいという革新意欲を持続できるのが30代です。40代、50代も事業家としては優れた判断力をもった世代なのですが、こと新事業となると40代、50代は保守的にならざるをえない世代的な現状要素が多数ありますから、斬新つまり市場の隘路をつくテーマは生み出しにくいのです。何度も世代別に事業開発プロジェクトを実施したのですが、この傾向は変わりありません。経営戦略を立てるならば40代、50代が全体俯瞰力があって大正解なのですが、新事業は俯瞰力よりも突破力ですから。


次回9月8日は事業開発組織、人材の形成についてお話します。