ぎりぎり感が成果を生み出すプロジェクトマネジメント

 昨日まで製造業のビジネススクール卒業報告だった。今回は連日深夜作業だったのにまるで疲れを知らない。今までのもっとも軽快な3日間だった。


 この企業は突貫工事になれていて、土壇場で集中し連日徹夜も平気な会社だ。いよいよ12日間のワークショップの残す1日のところでゼロベースの議論ができたりする。プロジェクトマネジメントでもっとも嫌われる、悪しきプロジェクトライフサイクルなんだが、まあ構想を成果としていることもあり、ぎりぎりでびっくりするような結論が出てくるからやめられない。今回は報告の受け手の役員の方々から、本気で楽しい報告会だったと言ってもらえた。1兆円企業の社長、取締役のお歴々からそう言われれば、30代前半の若手は奮起するだろう。


 小規模なプロジェクトであれば、このぎりぎりの状況での討議やワークがかなりの成果につながると改めて感じた。普段はチーム活動すら滅多にないという職場で、人間関係が上手ではない寄せ集めのメンバーが顧客と会社と自分の未来を語り尽くすには時間概念がキーだ。
 切迫した時間が論理と物語と大胆な仮説、検証を呼び起こす。妥協は絶対しないという約束のもとだからだろうが、激論になることもしばしば。このなんだか動物的な時間と空間が、3チームをこえて一体感ができ、達成の興奮を巻き起こす。


 逆にぎりぎり感を演出できない時は、着実な成果を創りあげたのに報告会はさっぱり関心をよばず、説得力がかけてしまうことも多い。

 結局、このぎりぎり状況こそが、創造的な成果を生み出し、疲れも感じにくい身体をも生み出すことになるように思う。いや確信する。