引越でわかったこと(単純作業の意味合い)

 IKEAに通い大型家具を組み立て、新居を掃除していると体を動かしてないということがよくわかる。全身に弱い筋肉痛がはしり、全身を覆うけだるさですっかり体力と意欲を失っている。妻は僕よりはるかに元気。家事をすることが筋力を維持することにつながっているのだ。

 コンサルタントとして講師として仕事をしているだけでは、それが全国行脚することでも、体中の細かな筋肉をではほとんど動かしていない。仕事とは別ものとして本格的に体を動かさないと中年に筋力は意外なほど縮小している。ひょんなことからこんな大事な事実を知ることになった。何でも勉強になる。
 
 僕はさらに大事なことに気づいた。

 炎天下、重い荷物を上げ、荷をとき、ねじをまわし、くみ上げていくという単純な作業を繰り返しやっていると意外なほど心が澄みわたる。仕事の悩みや人生の悩みが過去の断片的な記憶とともに繰り返し現れ、捨てるものは捨て、残すものは残そうと決断していく。特に捨てる意志がはっきりする。
 思考を集中するより単純作業を繰り返すほうが思考が進み決断材料を多々与えてくれるのだ。人間の脳は意図せず、つまり潜在意識下で活動していることを改めて気づいた。これは座禅と同じことであり、修行僧が寺仕事を大事する意味合いがよくわかった。
 業務仕事ばっかりしてたらだめなんだ。心と体、意識と無意識、集中と発散、神経系と循環器系、バランスすることがとてもたいせつなんだ。