西原理恵子『いけちゃんとぼく』(角川書店)

ああ、この本にとにかくやられた。さっきから涙がとまらない。
http://www.kadokawa.co.jp/sp/200608-05/


 絵本なのにもうどうしようも深い悲しみを感じた。生きることは悲しくてせつないことだけれど、それを正面きって受け入れられないのが大半の人間だろうし、僕もまたその一人だ。作者の漫画家・西原理恵子さんは悲しくてせつない人生を受け入れ、そして我が道として絵本としてまとめられたようだ。この本を読んで西原さんが知りたくてサイトをたずねTVに出演した記録をいくつか見た。
http://v.youku.com/v_show/id_XMjgwMjA5MjQ=.html
http://v.youku.com/v_show/id_XMjg0MTgwMDg=.html


 アルコール依存症で夫であった鴨志田穣さんとの人生の苦は言葉で表現できぬところまできていて、愛憎が一つになることの本当の辛さを知った。この絵本はそんな愛憎の時間から生まれているようだ。自分の生き別れした父とのことと重なる。


 僕ぐらいの年齢になったら必ず読むべき本じゃないだろうか。仕事がどうだ、会社がどうだと言っているうちに大事なものを忘れることになることがうっすらとわかるようなったと思う。