ワークプレースラーニング2008に参加した

東大の教育学者、中原淳さんらが主催する企業教育の講演会に参加した。
今回のテーマは「人材教育」で、論点の一つとして人材教育の領域について議論された。


人事部発の集合研修が教育の主体であった時代は終わり
各部門が主体的に教育機会を創出する時代に入ったという現状をもとに
人事教育部門は何をやるべきかというテーマだ。


僕自身、社外講師として企業教育の一環である集合研修を担い、その成果を
問われる立場だからこの話は自分自身の経営問題として深く考える機会になった。


1000名を越える参加者が数人のチームを組んで講演のあとに25分間議論するのだが
これが自省するという意味でたいへん効果的だ。自分はいつも受講生に議論をお願い
する立場だが自分が味わってみるとわずか25分でもしっかり議論できるという
実感だった。


僕らのペアディスカッションチームは、専門教育、熟練者教育においては知識付与の
教育から発見機会型の教育が求められ、発見機会型であるならば、部門、職場単位で
自発的に相互に意見交換しあうような職場研修が多くなるだろうと議論した。


発見機会型というのは、熟練者ならばいまさら知識はそう重要でなく、部門を越えて
同じ業務に精通するものが何を考え、何を悩んでいるか、他者の意見を交換しながら
概念化つまり自分の行為に名前(定義)をつけて標準化することが研修になるという
考え方だ。


だとすると、人事教育部門は効果的な意見交換の場をつくり、交換方法を伝授したり、
仮説を立て論証していく過程ををもとに議論できるようにデータベースを公開する
システム提供が重要な役割ではないかと議論した。
しかしこれでは、積極的に教育機会を増やそうとする部門とそうでない部門が出現して
機会の公平性にそぐわないとも考えたが、結局は花王さんの言うように競争ではないか
と結論に達した。


一言でいえば、これからの教育は対話だろうということだ。
日頃軽視しがちなことで、おおいに刺激された6時間だった。