実務家のためのマーケティング基本講座を担当しました

自分の特技の一つに、体系的知識を簡易に教えるというのがある。


今日は宣伝会議さんの講座で、マーケティング計画に関する知識を2時間半で話した。
ある緊張感を持ってほんとうに要点のみを、全体にストーリーづけて話していくと意外に、下手をするとコトラーさんのように枕ぐらいの厚みになりそうな教科書の体系を短時間に詰め込むことができるのだ。
まあ、いくつかの自分のプラニングやコンサルティング経験談だからある種の興奮を短文のストーリーにすることができるのだろうけれど。


特に失敗談を話すと釘付けで聞いてくれる感じ。
ブログには書けないけれど、若い時は深刻な失敗談を何度もしている。
その中でも、一番印象に残っている話をさせていただいた。
ソニー対松下のビデオカメラ戦争を、企画マンとして経験した話だ。


需要創造戦略と競争優位戦略を取り違えると深刻なダメージをうけるという話で
実はベテランマーケッターはこの違いを肌身で知っている人が多い。
顧客の価値と差別点(USP)はまったく別物という意味だ。
パスポートサイズとブレンビー(シングルハンド)のコンセプト競争で
松下はこのときけっこう大きな痛手を負っている。


受講生の方もすごく大変な授業なのだが、聞いてやるぞという雰囲気が伝わってくると
僕もどうにか論理の流れを絶やさずに話しを続けるぞという応戦で、
なんとも充実した時間だった。


体系的講義はいつも成功できるわけではなく緊張感が持続できたときなので
そこがつらいけれど。